老朽化した団地再生、集合住宅の再生手法と中心市街地活性化を学ぶ旅(ドイツ編)

老朽化した団地再生、集合住宅の再生手法と

中心市街地活性化を学ぶ旅(ドイツ編)

 

   高度成長期に、その象徴のように日本各地で建設された大規模団地。

  建物自体の老朽化に加え、テナントや若年層の転出、住民の高齢化や外国人居住者の増加といった住民構成のアンバランスなどが、コミュニティーの活性化を阻害しているというケースが、多数存在しています。

  これらの問題の解決の糸口を探るため、ドイツにおける、スクラップ・アンド・ビルドに捉われない団地再生中心市街地活性化の事例を視察します。

  主に1960年代の初期に建設された旧東ドイツ地域の数々の団地再生事例を中心に、「コンバージョン」「減築」「積極的な住民参加の仕組み」などをキーワードに、団地再生と個別の集合住宅の再生事例と中心市街地活性化事情を視察することが、皆様方の抱える諸問題解決へのヒントとなることと考えます。

 

<視察地概要>

ライネフェルデ団地再生 

  カッセルの東約60キロ、旧東ドイツの小さな街ライネフェルデ・ヴォアビスは、1961年旧東ドイツ政府のアイヒスフェルト計画(同地を繊維産業の中心とした一大工業都市とする計画)により爆発的な人口増加を迎え、それに伴い大規模なコンクリート・パネル工法による団地が次々と供給されていった。

  その後の産業の衰退、東西ドイツの統一を経て、住民の減少の一途をたどり、往時の50%程度になるにいたり、団地(=街)の再生が急務となる。

  「減築」「コンバージョン」「住民参加」に加え、街全体の再生といった現代日本の団地問題のすべてが展開された団地再生の聖地的事例。

  この団地再生プロジェクトは、NHK「クローズアップ現代」でも紹介された。

ドレスデンの中心市街地活性化(中央駅舎再開発など)

  かつての百塔の都ドレスデン。2006年の建都800周年に合わせて大改修を終えた中央駅は、ノーマン・フォスターの指揮により見事に甦った。

  1945年の大空襲により、屋根の鉄骨フレームを残し大きく破壊された駅舎は、かつてガラス板を用いたいた箇所に、永い間木の板で応急処置を施したままであったが、2006年11月11日、フォスターによりガラス屋根の取り付け工事などが終了し、多数の商業施設などを擁するかつての駅舎の輝きを取り戻した。

  一方市の中心、フラウエン教会とノイマルクト(新広場)に挟まれた一角に2006年12月に開業したQFホテルは、「エリアQF複合再開発」と称される旧東ドイツを代表する中心市街地活性化地域。

  バロックを主とした歴史ある街並みの中心に建つこのQFホテルだが、周辺の景観に配慮されたデザインのため、全く違和感なく旧市街に調和している。ホテルの下層階は8つのレストランと40の店舗からなるショッピング・モールが併設されていて、賑わいをみせている。

  またドレスデンはLRT(低床型路面電車)路線網が発達し、現在12路線が市内を走り、市民の足として確立している。

ヘラースドルフ団地再生

  ベルリン中心街から地下鉄5号線を東へ、ヘラースドルフ駅を下車すると広がる45,000戸、人口11万人の旧東ドイツ時代に建てられた大規模団地。個々での住宅のほとんどが、コンクリート・パネル工法で建築され、質も施工も悪かったため、雨漏りや腐食など様々な問題が起きていた。

  地下鉄の開通を機に、市当局は駅前の都市計画を作成し、駅を中心とした拠点街区を整備した。また団地を管理するヘラースドルフ住宅会社は、子供の遊び場や公園などといった余暇施設の整備や、大量の植樹に加え、各戸にはロッジアト呼ばれるや寝つき屋根付きバルコニーの設置、浴槽やサッシの交換などを行い住環境を整備し、現在ベルリンにある旧東ドイツ時代の大型団地では、最も再生に成功している事例といわれる。

  このヘラースドルフの西隣には、ドイツ最大の団地マルツァーン、更に西にはホーヘンシェーンハウゼンの団地があり、これらの団地の住民の合計は、35万人を超える。

ハッケンシャー・ヘーフェ集合住宅再生

  旧東ベルリン地区に1906年に建てられた8つの中庭を持つモダン建築ハッケンシャー・ヘーフェは、当時流行したホーフ(複数形でヘーフェ、中庭の意)建築の代表。

  旧東ベルリン時代には荒廃しきったこの建築物に、再びスポットがあたったのは1989年。

建設もコンセプトも昔と同じように再生するプロジェクトが始まった。

  現在は住居としてももちろん、カフェ、さまざまなショップ、映画館、ギャラリーなど複合施設を持つ流行発信地に生まれ変わり、観光客も数多く訪れる人気のスポットとなっている。

モダン・ジートルング  

  2008年7月、世界遺産にベルリンのモダン住宅団地が6箇所登録された。

  これらはすべて1913年から1934年にかけの都市人口の急激な増加に伴う対策のひとつとして建設されたもので、「キッチン、バス、バルコニーがあり、庭は無くても充分に外気や光が取り入れられている、機能的かつ実用的な間取りで割安な住宅」というコンセプトで、ブルーノ・タウトやヴァルター・グロピウスが設計などに携わった。

  あくまでシンプルで経済的、かつ機能美にこだわった建築物で、その後の社会主義的集合住宅建築や都市計画などさまざまな分野に影響を与え、現在でもそのデザインは高く評価されている。

 ・ ガルテンシュタット・ファンケンベルク(トレプトウ地区)

 ・ ジートルング・シラーパールク(ヴェッディング地区)

 ・ グロスジードルング・ブリッツ(ノイケルン地区)

 ・ ヴォーンシュタット・カール・レギエン(プレンツラウアーベルク地区)

 ・ ヴァイセ・シュタット(レイニッケンドルフ地区)

 ・ ジーメンス・ジートルング(シャルロッテンブルク地区、シュパンダウ地区) 

インターバウ団地

  1957年、市の西部、ティアガルテンの森に囲まれた閑静な一角に、IBA国際建築展の中核施設として建設された中高層のモデル住宅団地。 その建設年から“インターバウ1957”とも呼ばれる。

  ル・コルビジェをはじめアルベルト・アアールトー、オースカー・ニーマイヤーなど巨匠の作品が軒を連ね、特にピロティのデザインに注目が集まる。

 

<日程イメージ>

  第1日、

   航空便にてフランクフルト着                        (フランクフルト泊)

  第2日、

   団地再生のパイオニア的プロジェクト、ライネフェルデ団地再生視察

   (フランクフルト⇒ライネフェルデ、約275キロ、同⇒ライプツィッヒ、 約180キロ)

                                            (ライプツィッヒ泊)

  第3日、

   午前:ライプツィッヒにて中心市街地再活性化事情視察  

   午後:ベルリンへ移動(約215キロ)                      (ベルリン泊)

  第4日、

   終日:旧東ベルリン地区の大型団地、“ヘラースドルフ”、“マルツァーン”および

       “ホーヘンシェーンハウゼン”の団地再生視察            (ベルリン泊)

  第5日、

   終日:世界遺産の“モダン・ジートルング”、“インターバウ団地”と

       “ハッケンシャー・ヘーフェ”複合集合住宅再生視察         (ベルリン泊)

  第6日、

   航空便にて帰国の途へ

 

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