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米国におけるさまざまな形態の
都市再生事情を学ぶ

 

米国における中心市街地の衰退は、1960年代頃から各地で散見されるようになりました。

都市のスプロール化が最も大きな原因のひとつですが、これに対し米国各地では、

MSP(Main Street Program)やBID(Business Improvement District)、

TIF(Tax Increment Finance)などの手法を用いてその解決策を探ってきました。

ここでは、特に人口50〜80万人規模の都市とその郊外におけるユニークな

都市再生に視点を絞って事例をご紹介します。

都市部における“倉庫街の再生”、“遊園地の跡地利用”、“空港跡地の大規模再開発”

といったコンバージョンブラウン・フィールドの再生などさまざまな形態の都市再生事例をご視察されることが、皆様方の街の再生へのヒントとなればと存じます。 

アメリカが皆様を待っています!

 

<視察地概要>

フォレスト・シティ・ステイプルトン=広大な空港跡地の 
サスティナブルでダイバーシティな新しい街づくり

かつてのデンバー・ステイプルトン空港の跡地に、

ピーター・カルソープ事務所のマスター・プランの基、

1998年より開発中の全米最大規模のサスティナブル・

コミュニティー開発。 

開発面積1,900haに、販売価格10万〜100万ドルで

アフォーダビリティーを兼ね備えた12,000戸の戸建て

および集合住宅に加え、就労人口35,000人のビジネス

商業地区を開発中。25年のスパンの開発で、現在はおよそ

3分の2程度の完成状況。 

敷地面積の30%を公園などのオープン・スペースとし、

全長130kmに及ぶフット・パス(歩行者および

自転車専用道路)を取り入れ、LEED(建築物の性能と

持続可能性を査定する制度)に認証される 

戸建て住宅数が全米トップ・レベルと 

サスティナビリティー面でもとても評価が高い。

高評価を受けるもうひとつのは、高付加価値を生み出す住宅管理組合(HOA)の

質の高いパフォーマンスもあげられる。

住民や就労者などのコミュニティー内に生活する人々のためのさまざまなイベントの

開催や、プールや公園などの管理がしっかりとプログラムされており、

ここに生活することの「ステイタスの創造」に多大に貢献している。

 

ハイランズ・ガーデン・ビレッジ=遊園地跡地を利用した
都市型複合再開発 

デンバー・ダウンタウンから北西へ車で約15分、

開園110年の歴史を持つかつての遊園地跡地に開発された

11haに及ぶアフォーダブルな複合再開発事例。

ピーター・カルソープ事務所によってデザインされたこの

開発は、商業施設の建物が直接幹線道路に面する

(駐車場の奥ではない)というニュー・アーバニズムの

コンセプトに沿ったスタイルのスーパーマーケットや

フィットネスクラブなどの各種施設に加え、

52のシングル・ファミリー用住宅、

74のマルチ・ファミリー用住宅、 

63室のシニア向けアパートメント住宅、

33のコ・ハウジング、26のリブ/ワーク

(店舗一体型住宅)など生活スタイルに合った 

たさまざまな形態の住宅が混在している。

また遊園地当時のランドマーク的歴史的建造物である

「シアター」、「メリーゴーランドを覆っていた

独特のデザインの屋根」、「遊園地入り口への 

エントランス・ロード」の3つを残し、

往時を偲ばせる手法を取っている。 

このプロジェクトは、2007年度の

ULI(アメリカ都市計画協会)アワードを 

受賞し、敷地内のスーパーマーケット建築は、

2009年度のLEEDゴールド・ランク認証を

受けるなどさまざまな賞を獲得している。

 

16番街モール=ダウンタウン再生の代表的成功事例

デンバー・ダウンタウンの中心、「16番街」は

米国における中心市街地再活性化事例の 

代表的成功事例として名高い。

全長およそ1マイル(1.6km)に及ぶ

16番街は、モールの両側にレストランや 

専門店、複合施設が軒を連ねる。

モールは2車線の無料で乗り降りできるバスが走る

専用路線に加え、真ん中にも歩行者専用エリアを 

設け、加えて日差しを遮ることの出来る街路樹を 

植樹することで心地よい日陰を創出し、

ベンチ、ピアノなども配置されて、

市民や観光客の憩いの場となっている。

都市機能のスプロールに端を発した中心市街地の

衰退現象の解決を目指したこの開発は 

地元の商店や企業の経営者などで組織される 

ダウンタウン・デンバーBIDにより 

再開発が推進された。

1982年のモール完成後、

何度となくリニューアルがなされ、

より魅力的で安全なモールに向けての

さまざまな努力が継続されている。 

16番街の北地区のユニオン・ステーションでは

駅舎をおしゃれに改装してレストランとしたことで

再び人々が集まりだし輝きを取り戻した。 

また駅舎に隣接するエリアでは、

「フリー・マーケット」が開かれたり

おしゃれなブティックやレストラン、 

都市型集合住宅へとコンバージョンされた

倉庫建築が軒を連ね、人気となっている。

 

パール・ディストリクト=コンバージョンによる工場、倉庫街の再生

オレゴン州ポートランド市のダウンタウン北部、 

ウェスト・バーンサイド・ストリートから 

ラブジョイ・ストリートにかけての南北約1km、

東西約750m、100の街区に区分けされる

このエリアは、永らく工場や倉庫街として 

利用されてきた。

しかしながら1960年〜70年代にかけて、

都市機能のスプロール化とともに 

荒廃の一途を辿ることとなり、 

犯罪の増加も顕著となる。 

これを打開するため、1990年より

再開発プロジェクトが 動き出し

2001年のストリート・カー開設が

都市再生の引き金となって

現在のコンバージョン型都市再生の成功例

としての地位を確かなものとした。 

スクラップ&ビルドではなく、

歴史的建造物を生かした形での再開発を 

選択したパール・ディストリクトでは、

既存の倉庫、チョコレート工場、大型冷蔵施設、

病院などの建物を活かし、芸術系大学、

全米建築家協会、広告代理店、大手スポーツ・

メーカーの開発センターなどに 

コンバージョンした。

また多彩な商店やレストラン、フィットネス・

スタジオなど様々な施設と共に、多様性を持った

都市型住宅を併設することで、職・住の共存を

果たしている。

またこの地区のあちこちに公園や広場を設置する

ことにより、 住民やここに働く人々の

サード・プレイス(住居、職場に次ぐ第3の 

心地よい安らぎの空間)の創造に

寄与することとなる。

日本の再開発との大きな違いとして、

100の街区がそれぞれのデベロッパーをもち 

これらの小さな開発の集合体としてパール・

ディストリクトが存在している点が

あげられる。 

またストリート・カーの開通に要した建設費を

大幅に上回る額の投資が沿線に

もたらされたことも注目に値する。

中心市街地に多くの人々が居住し、

公共交通機関の整備により「車を持たない生活」

を選択することができ、

「自然と文化との融和が実感」し、

都市型、郊外型双方の商業施設も楽しめるという

贅沢な生活がポートランドでは、普通に享受できる。

 

ポートランドの都市成長管理政策と広域都市圏地方政府、

公共交通機関の導入

オレゴン州ポートランドは、市、郡に属さない

独特の地域政府「メトロ(メトロポリタン・

サービス・ディストリクト)」を

導入しているしていることで有名。

ポートランドとその都市圏の住民による

直接民主制を採るこの地方政府は、 

都市の成長管理、土地利用計画、

公共交通システムなどの交通計画、

公園や公共施設の運営・管理、 

廃棄物処理等の環境問題や自然保護などの

広域的な都市・地域問題など

既存の市や郡レベルでは解決しにくい

諸問題を担当する。

また成長管理政策は、ポートランド市を

中心とした3郡28市を都市成長境界線で囲み、

開発に規制をかけることにより 

自然破壊を抑制する目的を持つ。

ポートランドの都市開発のもうひとつの特徴は、

LRT。

1970年代の人口増加に伴う慢性的な

交通渋滞に悩むポートランドにおいて、

ロサンゼルスのようなフリーウェイの

整備か、LRTの整備かで公聴会や住民集会が

3年にわたり開催され、その結果

住民はサスティナブルで脱自家用車を

目指すこととなるLRTの施設を選択した。

その後MAX(メトリポリタン・エリア・

エクスプレス)とストリート・カーの路線は 

次々と拡張され、ポートランド市民の足として

完全に市民権を得た。

 

ハーキュリーズ・ウォーターフロント再生=行政主導による
ブラウン・フィールドの複合再開発
 

サン・フランシスコ市の北東16マイル、

ハーキュリーズの街は、

かつて火薬工場の企業城下町として栄えた歴史を持つ。

この再開発の特徴は、ブラウン・フィールドを、

民間のデベロッパーが計画したマスタープランではなく、

市議会が採択しハーキュリーズ市役所が策定した 

「セントラル・ハーキュリーズ・プラン」と言う

開発規定に基づき、民間デベロッパーが開発する

という手法を用いている点。 

1840年代からの伝統的な街並みが残る

タウンセンターを中心に、多様性のある

さまざまなスタイルの住宅、商業施設に加え

将来的にはベイエリアの中心的都市のひとつ 

オークランド市と直結する都市型鉄道も

施設する計画をもち、伝統的近隣住区開発 

であり、かつ鉄道沿線型複合開発を目指す点でも 

注目されている。

 

ベイ・ストリ−ト=ライフ・スタイル・センターと言う新しい
スタイルの複合型商業施設開発

サン・フランシスコ市の対岸、エメリービル市

に開発された「ベイ・ストリート」は

約38万スクエア・フィート

(約3.5ヘクタール)の商業および

エンターテイメント施設を持ち、IMAXを含む

15のスクリーンを持つシネマ・コンプレックス

をも併せ持つ複合開発地。

この商業施設の最大の特徴は、従来の郊外型複合店舗と

違い、店舗と駐車場、集合住宅が共存しているという点。

1階あるいは低層部分に商業施設を入居させ、

3〜4階部分には駐車場、

5階以上は284のアパートメントと

97のタウンホームで構成されているというスタイルを

とっている。  

ストリート・レベルに商業施設を入居させることで、 

伝統的ダウンタウンのスタイルを活かしつつも、

上層階は住宅とすることで、住民は気軽に

“街歩き”を楽しめる、という、全く新しい発想の街を

創出することに成功した。

「ライフ・スタイル・センター」と呼ばれる

このような複合コンプレックスは、

全米でも注目を集めている。

 

マウンテン・ビュー、カストロ・ストリート再生およびレッドウッド・シティ、
シアター・ディストリクト再生=大都市郊外における中心市街地の再生

サン・フランシスコの南、

シリコン・バレーの一角、マウンテンビュー市の

マウンテンビュー駅から続くカストロ・ストリートは、

ニュー・アーバニズム思想に基づく都市再生事例。

サン・フランシスコに本部を置くFTS社により

デザインされたこのプロジェクトは、

カル・トレインの駅から続くメイン・ストリート

再生部分と戸建て住宅地エリアとに大別される。

メイン・ストリートの車道と歩道の間には、

デュアル目的のパーキング・レーンがあり、

訪れた人々は気軽にここに駐車する。 

またこの駐車スペースの前後には、

植栽と一体となったベンチが設置されており、

通行人の“ひとやすみ”にも貢献している。

またこのパーキング・レーンのもうひとつの役割は、

路沿いのレストランのテラス席となる点。

従前の駐車スペースをテラス席と転換することで

駐車スペースをテラス席とするという発想により、

人の集う心地よい空間ができ、これが街の活性化へと

繋がっていった。

マウンテンビューの駅から南へ2ブロックの

1区画には、ピーター・カルソープの事例を

髣髴とさせる高密度に配置された33戸の

戸建て住宅が並ぶ。

四方を植栽に囲まれたこの区画の中央には、

適度なカーブを持ったフットパスが十文字に通り、

駅前の喧騒を忘れる気持ちの良い空間を

提供している。

一方、マウンテンビューの北、レッドウッド・シティー市には、

「シアター・ディストリクト」と呼ばれる地域がある。

かつて映画館を中心に栄えた市街地だったが、

前述のFTS社のデザインにより見事に再生した。

ここにはランドマークがふたつあり、

そのひとつ、郡の裁判所建築物を

歴史博物館として再生、

その館前の広場は多目的スペースとし、

各種イベントを開催できるようにした。

もうひとつのランドマークで休業中だった、

FOX Theatreも再生させ、威風堂々とした

往時の輝きを取り戻している。

FTS社は、メインストリートの両側にレストランや

商業施設を誘致、二車線だった道路を一車線の

一方通行とし、空いたスペースにはカストロ・

ストリート同様、駐車スペースを設けた。

車道から2段ほどの高さに造られた歩道には、レストランのテラス席が設定され、

ここでも街の活性化に寄与している。

わずか200m程度のメインストリートとその周辺のミニ開発だが、そのデザイン、

手法には参考になる点が多い。

 

<日程イメージ>

 第1日、

  航空機にてデンバーへ。着後、16番街再開発視察 

                  (デンバー泊)

 第2日、

  終日:ハイランズ・ガーデン・ビレッジおよび

     フォレスト・シティ・ステイプルトン視察 

                  (デンバー泊)

 第3日、

  午前:航空機にてポートランドへ移動              

  午後:パール・ディストリクトおよび

     ダウンタウン視察   (ポートランド泊)

 第4日、

  午前:航空機にてサン・フランシスコへ移動

  午後:カストロ・ストリートおよび

     シアター・ディストリクト視察 

             (サン・フランシスコ泊)

 第5日、

  午前:ハーキュリーズ視察

  午後:ベイ・ストリートおよびダウンタウン視察

             (サン・フランシスコ泊)

 第6日、

  午後:サン・フランシスコ発帰国の途へ  

                    (機中泊)

 第7日、

  日本帰着

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